選択肢は多い方が良い nowhere column vol.5

この通説を疑ってみる。
耳当たりの良い言い回しは健康サプリに似ている。

「人生において選択肢を増やすためには勉強すべし。
 勉強しないと落ちこぼれ、成功する機会を逃す!」

勉強すれば将来の選択肢が増え、人生が豊かになる。
本当にそうだろうか?

学び直しと称した研修や資格取得に精を出し、
忙しい日々に追われるビジネスマンが少なくない。

学ぶこと自体は素晴らしいことなのだが、
「何のために学ぶのか」という心棒(自分軸)が確立していることが肝要である。

自分軸とは、他人の考えを優先するのではなくて、
『自分がどうしたいか』を基準に行動すること。

「主体的に目的意識を持って、新たな何かを自ら求めて学んでいるか?」
「受動的に他者評価を気にして、学んでいるつもりになってないか?」

SGDs・Well-being(ウェルビーング)・DX・Reskilling(リスキリング)…
昨今のビジネス界を席巻するbuzzword(バズワード)は何とも響きが良い。

自分軸や判断基準が定まっていないと安易な流行り言葉に惑わされる。
やがて作業量と情報量の渦に巻き込まれ、自分を見失ってしまいかねない。

時流に押し流されぬように、航海の羅針盤の心棒をしっかりと握りしめる。
「自分軸は何なのか?」いま一度問い質し、肚(はら)に据えておこう。