人を指さすその指を自分に向けて観る nowhere column vol.11

「人の振り見て我が振り直せ」や「他山の石」とも解釈できる名言。
人の批判をする前に、自分の行動で改めるべき点はないか?
過去を振り返り、あの頃の自分は迷惑をかけてなかったか?
自己省察する謙虚な心の態度が人格を形成する。

ある状況下で人はなぜそのような行動をとるのか?
を科学的に説明するのが行動科学なのだが…
わざわざ統計データで難しい分析をしなくても、
いまここから始められる簡易な内省方法がある。

家の玄関を一歩外に踏み出せば、今日も新たな世界が広がる。
晴れ渡る日も雨の日も大自然の恵みに包まれて人々は生きる。
何気ない日常の風景の中に転がる学びの糧は無尽蔵。
行き交う人々はエキストラ、多様な行動が気付きを与えてくれる。

『あらゆる出来事には意味がある』

尻尾を振ってゆっくりと散歩するワンちゃん
猛スピードで坂を駆けおりる黒いママチャリ
譲り合わずに数センチ幅で離合する高級外車

通勤の満員電車でしかめっ面のサラリーマン
手すりを掴み重い荷物を抱えた白髪のお婆さん
お喋りしながら信号無視するグラサン外国人

挨拶しても無表情・無反応で通りすがる隣人
小まめな報連相を要求しても返答のない部下
何度注意しても一向に変わらない遅刻常習犯

飲み会の会計時にお札を粗末に扱う元教授
講師のダメ出しをする評論家気取りの役員
バイト女性に大声で絡むカスハラオジサン

SNS・メール等で即座に返信をくださる社長
会食後の退席時に椅子を定位置に戻す友人
満面の笑みで爽やかに応対する受付秘書

別れ際に見えなくなるまでお見送りする店長
駅で落としたハンカチを拾い手渡す好青年
エレベーターでお先へどうぞと譲り合う人達

『あらゆる出来事には意味がある』

自分にとって良いことも嫌なこともすべてがメッセージ。
真善美の判断基準は人それぞれ、常に価値観が行動に現れる。
その行動に敬意を払い、自分という原石に磨きをかけてゆこう。