コミュニケーションの前提 nowhere column vol.9

「ハラスメント」いわゆるイジメや嫌がらせ。
近年の事件や不祥事のニュースでピックアップされ、
企業や教育現場などで問題となるケースが増えている。

「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」がベスト3
個人や能力を否定するような言動は精神的ダメージを与え、
被害者の負の感情が増幅すればメンタル不調にもなりかねない。

思想や価値観、倫理観などが異なる個人が集まる社会。
「ハラスメント」に対する正しい知識と共通認識を持って
防止対策を徹底しても、交通事故の如く根絶するのは至難の業。

相手の主観で不快と感じた関係性が継続すれば訴えられる世の中。
悪気なく相手に触れたり、無自覚に声かけしただけで火種となる。
「嫌よ嫌よも好きのうち」「話せば分かる!」は洒落にもならない。

「何べん言ったら分かるんだ!前にも言ったよね?」
「それ常識でしょ、当たり前でしょ、普通できるでしょ」
「そんなこともできないのか?なぜできないんだ!信じられない」
「ちゃんとやれよ!他の人はできるのに…おまえやる気あるのか?」

苛立つ気持ちを抑えきれず、相手に刃を突き付ける言葉の暴力。
社長・上司や親・教師など部下や子供を育てる立場と権限を盾に
口にしてはならないNGワード(鉾)を相手にぶつけてはないだろうか?

『そもそも人と人の対話において100%納得し合えるなんてあり得ない』
この前提を肝に据えず話をすると、身勝手な命令や長い説教と認識され、
「ハイ、分かりました」と巧妙な返答で受け流されることになりかねない。

きちんと話したつもりでも相手に伝わらないかもしれないという謙虚さ。
思いを言語化する段階で、丁寧な言葉選びと誠実な態度が常に求められる。
相手の心の懐に思いを届ける配慮があるか?自ら問い直すことから始めよう。