「人生ずっと工事中やで~」 nowhere column vol.26
『アウフヘーベン(Aufheben)』何とも豊潤な響きだ
バームクーヘンにも似て、樹木の年輪のように美しい
歳を重ねた知の結晶のごとく、完成度が伝わってくる
ドイツの哲学者ヘーゲルが弁証法の中で唱えた『止揚』
より高次元な最適解に向けた知のスパイラルアップ
二項対立する物事の考え方から導き出される新概念
一旦出来上がった成果物をテーゼ(命題)と設定し
アンチテーゼ(異論)を掛け合わせ、新たな創造物に昇華
統合されたジンテーゼ(新概念)は一段上のフィールドへ…
例えて云うならば、バームクーヘンの商品開発
最初はプレーン(正)ありき
それでは物足りない味気ないとオブジェクション(反)
反対意見も取り入れ、チョコチップ入りに仕上げてみる(合)
次はこのチョコチップ(正)をベースに議論
いやいやカロリー過多で甘過ぎるだろう!とツッコミ(反)
じゃぁヘルシーなオイコス(Oikos)仕立てに変えてみよう(合)
正×反 ⇒合、合(正)×反 ⇒シン・合・・・
やっと辿り着いた結論を否定されると凹んでしまうが
理想の世界観に向けた『正反合』思考は繰り返される
建設的な知のバトルはまさにイノベーションプロセス
「人生ずっと工事中やで~」と諭してくれた親戚の言葉が甦る
いくら穴凹(ぼこ)だらけの道を自分で補修しても
歩みを進めてゆけばまた新たな穴凹に出くわすもの
一生懸命に努力したって失敗してしまうこともある
「人生ずっと工事中やで~」思い通りに行かないのが人生
工事をしんどく面倒な作業だとネガティブに捉えない
明るい未来社会を築く、ポジティブな価値創造なのだ
ご縁のある方との対話で新概念を紡ぎ出してゆこう!